2014年2月4日火曜日

KDX125 タンク修理 その②

KDX125 タンク修理の続きです。

ステンレスプレートを溶接し、平面が出るよう修正、無事に溶接できたようです。

素材が鉄のタンクに、ステンレスの板を溶接するという今回の作戦。

異種金属の溶接は如何なものか、異論も出ると思いますので検証してみましょう。

今日の文章は少し長いですよ。眠くなりますよ。睡眠前にどうそ。


鉄とステンレスは溶接可能です。

ステンレスは鉄にクロームとニッケルを入れた合金です。

溶ける温度はほぼ同じなので溶接自体は問題有りません。

異種金属の溶接は、鉄と銅、鉄と亜鉛などほとんどがTIG溶接できません。

これは溶ける温度が違いすぎて、早く溶ける方の金属が蒸発あるいは爆発してしまうからなんです。

TIG溶接が発明されるまでは鉄をバーナーで熱しておいて、接合したい箇所に真鍮などの金属を流し込む方法。

これはロー付けという方法で、ハンダ付けも理屈的にはよく似た接合方式です。

タンクなんかもロー付けで修理すると、鉄板の間に真鍮が流れ込んでも漏れにくくなるので良い方法ではありますが再塗装の必要があります。

昔の自転車なんかはすべてロー付けで組み立てられてました。

最近の自転車はステンレスとかチタン、アルミなどのフレームが出てきてますから、ロー付けではなくTIG溶接主流になっています。

異種金属が接合されている状態というのは、腐食とかサビに対してどうなのか?

異なる金属を同時に水とか海水に浸けた想定します。

その時、金属の電位差が発生して激しく腐食します。
乾電池状態になって片方の金属が腐食する、電蝕という現象が発生します。

それをうまく利用したのが鉄と亜鉛の組み合わせ。

ボルトとかタンクの内部は亜鉛メッキしてあって亜鉛を電蝕で犠牲にすることで鉄を保護するという方法です。

鉄は赤サビになると問題ありですが亜鉛はサビても色は同じで特に問題なしです。

鉄とステンレスではステンレスの方が優位ですから、鉄の方が腐食します。

今回のタンクはステンレスの板を溶接してるので、タンクの鉄が腐食するのではないか?

タンクにステンレスを溶接してはいけないのではないか?

そういう疑問が出てきますね。

電蝕が発生するのは電気を通す水や海水に漬かっている場合に限られます。

ガソリンは電気を通さないので電蝕に関しては問題なしですね。

ですがタンクに水が入ったり、ガソリンの酸化物が入っている場合は腐食されます。

それでも鉄板同士でも腐食はするでしょうから、ステンレスの方を厚くして隣接した鉄板が腐食してもステンレスは生き残って、ガソリン漏れに対して有利だろうと考えました。

そもそもタンクの鉄とステンレスは溶接で一体化してる訳だし、局部的な電蝕があるとしても極わずかです。


次に問題なのが隙間腐食。

ステンレスのような金属は板同士に隙間が出来るような構造にしてはいけません。
隙間腐食という腐食が発生します。

そもそもステンレスが何で錆びないかというとステンレスの表面に出たクローム成分が保護してるんです。

クロームの表面は通常酸化してるのが普通で、その酸化クロームがピカッと光ってて強いんです。

その強い酸化皮膜がステンレスが赤サビない理由です。

ステンレスは油が付いたり、塗料が付いていたり、隙間が出来てたりすると酸化皮膜が取れて弱くなるんですね。

ステンレスはむき出しのそのままが一番強い。

チタンも同じで、表面の酸化チタンが強くて塩水なんかヘッチャラです。

今回のタンクも鉄板とステンレスの板の間に隙間が出来てます。

色魔腐食という意味では。してはいけない方法です。

それでも、隙間腐食したとしても充分に厚いステンレス板ですから、鉄板よりははるかにマシと思います。

以上が専門家からは異論が出るであろうけど、あえて行った作戦でした。

予算を掛けれはもっと理想的な修理方法もあります。

現実問題としてタンクの修理に何万も掛ける訳にはいきませんからね。

できるだけ少ない予算で、問題なく仕上げるというのが正しいのかと思います。

おつかれさまでした。ごゆっくりお眠りください。

スヤスヤ

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