2014年8月25日月曜日
幻のバイク ホリデイGET
市販されなかった幻のバイク、ホンダホリデイPZ50を入手しました。
何で幻のバイクかというと、売られてなかったからなんです。
製造ラインでそこそこの数を作ったんですが、操縦安定性が悪くてやっぱり売るの止めとことなった本当の幻のバイク。
作ってしまったバイクはホンダ従業員にだけに販売。レアな訳です。
宗一郎さんが製造ラインから出来てきたホリディをテスト走行し、みんなが見てる前でコケてしまった。激怒した宗一郎さんが販売中止を申し渡したという説があります。
本当のところはどうなんでしょうか?
さっき、作った人に本当のいきさつを聞いてきました。
実は近所にホリデイの開発を担当してた本人がいるんです。その人に詳しいこと聞いてきました。
時代は1973年ごろにさかのぼります。
ホンダの社内でアイデアコンテストというのがあって、そこでアイデアコンテスト河合賞を取ったのが、ブーンバイクというサス付自転車にエンジンを積んだ乗り物。
ブーンバイクというのは当時としては珍しいサスが付いていて面白い自転車でした。
それにエンジンを付けたというアイデアが受けたんです。
ちなみにモトコンポもアイデアコンテストから生まれたらしいです。
昔のホンダは自由で楽しいですね。
そのアイデアコンテストの原型は市販しようという事になって、鈴鹿製作所で4人ぐらいの少人数によるチームが編成され開発が進められました。
さっきホリデイの話を聞きに行った人はその中の一人でした。
生産台数は意外と多くて1200台。テストや試作を含めるともう少し多いようです。
第1ロットで600台、その後第2ロットで計1200台、操縦安定性が改良されたのが第3ロットでラインに乗る前に中止となりました。
第3ロットの操縦安定性を良くした方法は、ハンドル位置を少し手前にすることで劇的に乗りやすくなったらしいです。
現存している第3ロット改良型の試作品を所有してるのは二人だけ。一台はアイデアコンテストに出した人。もう一人は今日話を聞いてきた人のみ。
普通は亜鉛メッキのパーツがクロームメッキになっていて、それこそ激レアですね。
宗一郎さんのいきさつは本当か聞いたところ、それは無いと言ってました。
ありそうな話なんですけどね。
エンジン始動時の操縦安定性は確かに悪かったんですが、それに関しては改良型で良くはなった。
けれども作ってしまった1200台を又作り直すのもコストが掛かる。
操安が良くなったと言えども、やはり一抹の不安が残る。
残念ながら販売は中止しようという判断が下された。
以上が本当のいきさつのようです。
宗一郎さんはカリスマ経営者とは言え基本技術屋です。
新機種の開発には並々ならぬ苦労があるという事を誰よりも知っています。
ちょっとコケたぐらいで中止に追い込むという事を本当にするのでしょうか?
1973年とは宗一郎さんが社長から退陣した年に当たります。
新機種のゴーサインを出したのは宗一郎さんだとして、中止の決定を出したのは宗一郎さんだったのか?
そこのところはいずれ研究したいと思います。
現場担当者としては、苦労して作り上げたバイクが日の目を見ないとうのは、ずいぶんと悔しかったろうと想像します。
ホリデイが激レアとは言っても、そこそこの台数が世の中に出まわった訳ですから、マニアの人やショップ、ホンダ関係者が結構コレクションしてたりします。
本当に激レアなのは第3ロット予定の2台しかない試作型。
一台は発案した人が生きていればまだ持っているかもしれない。
もう一台は今日話を聞いた人が青春の思い出とともに保管してあります。
その人も生きてるうちは手放さないでしょう。
ボケがこないうちに譲ってくれるように交渉しておこう。
入手したこのホリデイはホンダ従業員が買ったであろう1200台のうちの1台。
ボロボロ、サビサビです。
レストアには結構お金がかかりそうです。
レストアするのか、他のエンジン積んでカスタムしてしまうのか思案中です。
電動化するのもアリかとも思いますけど、貴重なバイクの歴史変えてしまうようで気が引けます。
おそらくこのまま放置かな?
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