かわいい子には旅をさせよ、ということわざがあります。
親の保護から離れさせ、子供に自立をうながすのには一人旅をさせるのが良いだろうという意味ですが、バイクで旅をさせるとより効果的です。
私の友人の子供なんですが、二十歳過ぎても特に目標もなく、興味あることも見いだせず、ゲームばかりしていて外には出ずという最近ありがちな子供でした。
親父の方は若いころ真っ黒に日焼けしてアウトドアなタイプ。ビッグバイクにも乗ってました。
息子を見るとこのままで大丈夫なのか? もっとたくましくなってほしい。
外の世界に目を向けてもらうにはバイクが良いんではないかと親父は考えました。
バイクに乗ったらどうだ、と勧めると特に嫌がる様子もなく免許も取得。
バイクの選定に相談受けていたんですが、本人の気に入ったバイクがCBR250R。軽くて乗りやすいバイクです。
いよいよ納車の日、引き取りに来たのが親父。
大丈夫なのか? バイクに乗れるのか? 少し心配になりました。
それでも最初はおっかなびっくりで乗り始め、ランポートツーリングにも参加。
その後、バイクにハマったらしく毎日のように日帰りツーリング。
ランポートにオイル交換に来るんですが、ものすごいハイペースで距離が伸びてました。
彼も来るたびにどんどんたくましくなっていて、ランポートの個性的な常連さんともニコニコと話をしているほどで。
そして日帰りツーリングに物足りなくなった彼は親父にこう言いました。
僕、家を出る・・・。
親父 家を出るってお前、どれぐらい出てくるんだ? いつ帰ってくるんだ?
彼 分からない。決めてない。
親父 一生帰って来ないこともあるのか?
彼 行ってみないと分からない。
親父 よし、行くのはいいが行先ぐらい教えておけ。
彼 どこ行こうかなー
親父 まだ寒いから暖かい方へ行ったらどうか。
彼 じゃ、そうする。
翌日、彼は雨の中自分探しの旅に出発するのでした。
鈴鹿から出発して色々な所を回り九州まで到達。
寝る場所は野宿か漫画喫茶。
野宿と言ってもテントあるわけじゃなく、駅か公園のベンチで眠るだけ。
ゲームばかりしてた子供がバイクに乗ることでこうも変わるものか。
実は彼はとんでもない大物ではないかと思えてきます。
ランポートにはワイルドな人たちが集まりますが、ワイル度ナンバーワンです。
一か月後、帰ってきた彼。
今度は東に向かうと言ってます。
東に向かう・・・ カッコいいー
普通は、ロングツーリングに行くときは下調べして装備揃えて、準備万端で行くと思うんです。
大物の彼は違います。
ショルダーバッグを肩にかけて、まるで隣の町に行くぐらいのラフな感じ。
おそらくは北海道の端までたどり着くでしょう。
かわいい子にはバイクで旅をさせよ。でした。
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