2013年10月18日金曜日

チタンを溶接する




前回ではチタンを削るでした。

今日のお話はチタンを溶接するです。

チタンという特殊金属を製品として使うのはバイク業界が早かったのではないでしょうか。

チタンのパイプは普通には売ってなかったでしょうし、1ミリ厚で25パイとか32パイなどバイクのマフラー以外で使うことはないでしょう。

大手マフラーメーカーが薄肉チタンパイプを製鉄会社にオーダーしてくれたおかげで、我々にもチタンパイプが入手できるようになりました。

最初にオーダーした所は相当な金額がかかったはずです。
有難い事です。

バイクのマフラーではチタンパイプの厚みは通常1ミリを使います。
ステンレスの場合は1.2ミリが標準です。
チタンの比重が4.51でステンレスが7.9です。

チタンマフラーはステンレスのマフラーと重さを比較すると、薄く出来るという事もあり0.47倍です。
半分以下ですね。

そんなマフラー向きみたいなチタンですけど意外とマフラーに向いてる訳ではないんですね。

チタンは耐熱金属ではないので、ある程度の温度になるとクニャクニャ曲がり出します。

F1のマフラーは耐熱金属のインコネルという金属を使ってます。
もしチタンで作った場合すぐに燃え尽きてしまうはずです。

バイクの場合はマフラーが外気にさらされるので、そこまでの温度にはなりません。
モトGPのマフラーはチタンで出来ていて、画像を見るともうダメだという温度にはなってないようです。

チタンがどれぐらいの温度になったのかは色で簡単に分かるんです。

最初は茶色から始まるんです。
そして赤っぽくなっていき青が出てきます。

チタンらしい色ですね。

それから温度が上がると青が白っぽくなっていきます。

そこら辺がチタンの限界温度で、それ以上温度が上がると白からコゲ茶色になり終了です。

チタンを溶接するには色に注意します。
当然、溶ける温度にして溶接する訳ですから強度を落とさないようにしなければいけません。

温度が高い時に少しでも空気に触れると酸化します。
アルゴンガスで空気を遮断しながら溶接します。

溶接トーチを動かしていくと、まだ熱い部分がアルゴンガスから外れて酸化していきます。

ですからアルゴンガスはトーチと、トーチから外れた箇所とパイプ内部に行き渡るようにします。

溶接自体は難しくは無いんですが、アルゴンガスで空気を遮断するのに手間が一番かかる金属なんです。

薄い青ぐらいならマフラーとしては問題ないのですが、白やコゲ茶まで変化してしまうと使い物になりません。

マフラーにバーナーで色付けたりしますけど青もしくは青白までが限界。
レーサーのマフラーの色でどれ位温度が上がっているのか見てみると面白いですよ。

溶接箇所は温度が上がって結晶が変化してるので白のままで変化しません。
どこで溶接してあるのかすぐに判ります。

ちなみに鉄の場合は高価なアルゴンガスではなくて炭酸ガスで大丈夫です。
ガスがあまり当たってなくても表面が黒くなるだけ。

鈴鹿ではチタン溶接の名人が多いです。
神の溶接する人、世界的に言っても鈴鹿に集中してるような気がします。

そんな神の溶接する人、レベルが極めて高い人が多いのですが、一般的には知られていません。

そういう人たちはメーカーとか下請けで黙々と仕事してて、自分の溶接をブログに書いたりしないので知られてなんですね。

自分もそんな神の領域に行きたいですね。
たまに仏の領域かな? と思うことあるけど勘違いでしょう。

溶接の世界は奥が深いです。





ランポート

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